問題の背景や前提条件を正しく共有しよう
精神的背骨と今回の彼は関係ない!
いきなり、精神的背骨とは関係ない話になっているけれども、結構多くいただいたのがこの意見。
にて これから言おうとすることが間違っていることに気づいているときには何も言えない - ...ing logging 3.0 の記事に触れていただきました.
ただ,このまとめ方ですと,僕の記事が「彼が失敗を怖がるのは精神的背骨がないせいだ」と主張しているかのように読めてしまいますね.
そういう意図はなく,「彼は失敗を怖がっている」が本当かどうか,「その原因は精神的背骨がないせい」が本当かどうか,については何も言っていないつもりだったのですが.
(追記:2009-02-26)あれ? なんでそう思ったんだろう.「精神的背骨と今回の彼は関係ない!」って書いてあるのに,関係があると主張しているように読めるわけがない.書いたことと思ったことがずれていたみたいだ.本当に言いたかったのは,「精神的背骨と今回の彼は関係ないとも関係あるとも言っていない」なのでした.すいません.重要なのは,否定できない研究アイデアはそうそう存在しないという事実です.
一般論として,先生は研究に正解はないと言いながら不正解だけはきっちり指摘してくるから,思いつく限りのことをすべてボコボコにされる学生は嫌になるんだよね.
否定できない研究アイデアはそうそう存在しないので,学生が提案したアイデアに対して「それはこういう理由でダメだよね」と指摘できないことはほとんどありません.
説得力がある理由を提示された学生は「じゃあこのアイデアではダメなんだ」と 納 得 します.
自然と学生は「先生はダメなところがない完璧なアイデアを求めている.そんなの思いつかない」と思うようになり・・・.これから言おうとすることが間違っていることに気づいているときには何も言えない
何を考えてもダメなところが見つかるので何も言えなくなります.
実は,そのアイデアがダメなのは,現時点で学生と先生の間で共有している は ず の 問題の背景や前提条件においてなのですが,学生はそのことに気づいていません.
せっかく考えたアイデアを先生が納得してくれなかったら,前提条件の方を改めて説明したり変えてみたりしましょう*1.
問題の背景や前提条件を正しく共有することが大事です.*1:そうすると今度はその前提条件の方を承諾してくれなかったりするんだけども!!